副業フリーランスとは、本業を持ちながらフリーランスとしても収入を得る、新しい働き方です。収入アップやスキルアップを目指す方に注目されています。
では、これから副業フリーランスを始めるとしたら、どのように準備を進めればいいのでしょうか。
この記事では、副業フリーランスのメリットや注意点、おすすめの職種などを解説します。また、具体的な始め方や案件獲得方法も紹介しているので、この機会に副業フリーランスにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
副業フリーランスとは
副業フリーランスとは、会社員などの本業を持ちながら、本業以外の時間を活用してフリーランスとしても仕事を請け負う働き方です。時間や場所にとらわれず、自分の裁量で仕事を選べます。
フリーランスとの違い
フリーランスとの違いは、本業があるかどうかです。
フリーランスは独立した個人事業主として、その仕事だけで生計を立てていきます。対して副業フリーランスは、本業の収入を基盤としながら、追加の収入を得る働き方です。
副業フリーランスが注目されている理由
働き方改革やリモートワークの普及が追い風となり、副業フリーランスとして活動する人が増えてきています。
経団連が2022年に実施した「副業・兼業に関するアンケート調査結果」によると、社外での副業や兼業を「認めている」「認める予定」と回答した企業が7割を超えました。
また、副業フリーランスから本業としての独立を果たすケースも増えており、キャリアの新たなステップとしても注目を集めています。
副業フリーランスのメリット
ここでは、副業フリーランスならではの5つのメリットを紹介していきます。
1. 収入が増えて経済的ゆとりができる
本業の給与に加えて副収入が得られることで、家計にゆとりが生まれます。
月数万円の副収入でも、年間では大きな金額となるため、貯蓄や投資など将来に向けた資金計画も立てやすくなるでしょう。
2. スキルアップしてキャリアの幅を広げられる
副業フリーランスとして働くことで、本業では得られない新しい経験やスキルを積むことができます。
また経験のない仕事にチャレンジすることで、自分に得意な分野が見つかり、本業以外の新たな可能性や適性を見出すことができるかもしれません。
3. スキマ時間を効率よく活用できる
通勤時間や休日など、今まで十分に活用できていなかった時間を有効活用できます。
自分のペースで仕事を進められるため、本業と両立しながら、無理のない範囲で副業に取り組むことが可能です。時間の使い方次第で、より充実したワークライフバランスを実現できるでしょう。
4. 独立・起業の基盤ができる
副業フリーランスは、将来の独立や起業に向けた準備としても有効です。
副業フリーランスなら本業の収入を確保しながら、案件獲得から納品、請求書発行、経費管理、確定申告まで、経営者として必要なスキルを着実に身につけられます。
また、副業期間中にクライアントと良好な関係を築いておけば、独立後もスムーズに事業を展開できるでしょう。
5. 経費計上や青色申告で節税対策になる
副業フリーランスとして働く場合、事業に必要な経費を計上することで、節税効果が期待できます。
パソコンやソフトウェア、通信費など、これまで個人で負担していた費用も、事業経費として申告することが可能です。
また、開業届を提出することで青色申告を選択でき、最大65万円の所得控除を受けられます。
副業フリーランスのデメリット・注意点
ここでは、副業フリーランスが知っておくべきデメリットや注意点を紹介します。
1. 自由に使える時間が少なくなる
副業フリーランスをやるには、本業の仕事が終わった後や休日に副業の時間を確保する必要があります。そのため、これまで趣味や家族との時間に使っていた自由な時間が減ってしまいます。
また、案件の締め切りに追われるなど、時間的なプレッシャーを感じることも。ワークライフバランスを保つためにも、無理のない範囲でスケジュール管理をすることが大切です。
2. 本業に支障が出る可能性がある
副業に力を入れすぎると、本業での集中力が下がったり、疲労が溜まりやすくなったりするなど、支障が出る可能性があります。
睡眠時間が減ったり、本業中に副業のことが気になったりして、パフォーマンスが低下してしまうのは避けたいところです。あくまで本業が優先であることを忘れず、体調管理にも気を配りましょう。
3. 確定申告などの手続きが必要になる場合がある
副業での収入が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。収入規模によっては開業届の提出や青色申告への切り替えなど、新たな手続きが発生することもあるでしょう。
税務の知識が必要になるため、税理士に相談したり、自身で勉強したりする時間を確保することが重要です。
4. 自己管理能力が求められる
副業フリーランスでは、スケジュール管理や健康管理、案件の進捗管理など、すべてを自己責任で行わなければいけません。
締め切りや品質管理も自身で徹底しなければならず、高い自己管理能力が求められます。また、収支管理もしっかりと行わないと、経営が圧迫される可能性もあります。
5. 会社の就業規則を確認しておく必要がある
副業を開始する前に、必ず会社の就業規則を確認しておきましょう。
副業が禁止されている場合や、事前申請が必要な場合もあります。就業規則に反して副業をすると、懲戒処分の対象となるリスクもあるので、注意が必要です。
6. 怪しい勧誘には要注意する
副業フリーランスが増える中、「簡単に稼げる」「必ず成功できる」などの甘い誘い文句で勧誘してくる詐欺まがいの案件も増えています。
副業フリーランスにおすすめの職種・スキル
ここでは、未経験でも始めやすく、需要の高い職種を4つピックアップして紹介します。
Webライター
文章を作るのが得意な方におすすめなのが、Webライターです。企業のブログ記事やWebサイトのコンテンツ制作など、仕事の幅が広く、参入しやすい職種といえます。
基本的なライティングスキルと情報収集力があれば始められ、経験を積むことで単価を上げていくことも可能です。在宅で作業できるため、時間の融通も利きやすいでしょう。
Webデザイナー
副業フリーランスとして人気の職種です。ランディングページの制作やバナー作成など、様々な案件があります。
PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールの使用経験があれば、副業として始めやすいでしょう。案件の規模も小さいものから選べます。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアとは、デザイナーが設計したデザインをHTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使って、実際のWebサイトやアプリケーションとして形にするエンジニア職です。
言語の種類や経験年数に応じて、様々な案件を選ぶことができます。需要の高い言語を習得すれば、高単価の案件も獲得できるでしょう。
SNS運用代行
企業のSNSアカウントの運用を代行する仕事も、副業フリーランスとして注目されています。投稿の企画立案から実際の運用まで、幅広い業務を担当します。
普段からSNSを活用している方なら、そのスキルを活かせる職種です。スマートフォンがあれば作業できるため、通勤時間なども有効活用できます。
副業フリーランスの始め方・ステップ
副業フリーランスをスムーズに始めるためには、しっかり計画を立てて、少しずつ準備していくことが重要です。以下で副業フリーランスの始め方を順を追って紹介します。
フリーランスになるには?必要な準備や手続き、未経験・スキルなしでもなれるのか解説
ステップ1:副業の目標・目的を設定
まずは副業を始める目的や目標を明確にしましょう。「月5万円の副収入を得たい」「新しいスキルを身につけたい」など、具体的な目標を立てることが大切です。
ステップ2:必要に応じてスキルを習得
目標が決まったら、スキルを洗い出して、足りないスキルを習得していきましょう。
オンラインのWebデザインスクールやプログラミングスクールなどに通い、自分に合ったスキルを身につけます。すでに持っているスキルを活かせる場合でも、市場価値を高めるため、さらなるスキルアップを目指しましょう。
以下の記事では、フリーランスで求められるスキルについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスに必要な6つのスキルと習得方法を解説!未経験・スキルなしでも始められる?
ステップ3:フリーランス案件に応募
スキルが身についたら、いよいよ案件を探していきます。初めは小規模な案件から始めて、徐々に経験を積んでいくのがおすすめです。
具体的な案件獲得方法については、次の「副業フリーランスにおすすめの案件獲得方法」の章でで詳しく解説します。
ステップ4:案件を受注
案件への応募が通過したら、クライアントとの打ち合わせを経て、正式に案件を受注します。この段階では、納期や報酬、作業内容など、契約条件をしっかりと確認することが重要です。
また、本業に支障が出ないよう、無理のない作業スケジュールを組みましょう。
副業フリーランスにおすすめの案件獲得方法
ここでは、初心者でも利用しやすい、おすすめの案件獲得方法を厳選して紹介します。なお、その他の案件獲得方法について、以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
フリーランスの仕事の探し方12選!案件探しのポイントや継続的に受注するコツも解説
クラウドソーシング
クラウドソーシングサイトは、企業と個人をマッチングするプラットフォームです。代表的なサービスとしては、ランサーズやクラウドワークスが挙げられます。
登録は無料で、幅広いジャンルの中から実績やスキルに応じて案件を探せます。
フリーランスエージェント
フリーランスエージェントは、フリーランス向けの案件を紹介してくれるサービスです。専任のコーディネーターが案件紹介から契約までサポートしてくれます。
レバテックフリーランスやITプロパートナーズなど、職種に特化したエージェントも多く、高単価案件が見つかりやすいです。
営業に時間を取られることなく、自分のスキルや経験に合った案件に出会えるため、副業フリーランスとして効率的に活動を始められます。
オンラインスクール
オンラインスクールでは、第一線で活躍するプロから、現場で使える実践的なスキルを学ぶことができます。
また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境で学べるため、モチベーション維持にも効果的です。
さらに、スクールによっては案件獲得保証付きのプランも。たとえば、マンツーマン型スクール「WEBCOACH」や、ママ専用Webスクール「Famm(ファム)」では、5件まで仕事を提供してくれます。
副業フリーランスに関するよくある質問
ここでは、副業フリーランスに関するよくある疑問について、Q&A形式で解説します。
Q.副業フリーランスでも確定申告は必要?
副業フリーランスで得た収入が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
ただし、20万円以下でも、経費を計上して節税対策を行いたい場合や、青色申告のメリットを受けたい場合は、自主的に確定申告を行うことができます。
Q.開業届は提出しなくてもいい?
開業届をしてなくても法律上の罰則はありません。ただし、事業規模や今後の展開を考慮して検討するのがよいでしょう。
青色申告のメリットを受けたい場合は、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出する必要があります。
ただし、開業届と一緒に提出する青色申告承認申請書は、開業日から2ヶ月以内に提出しなければ、その年度は青色申告として認められません。
Q.副業フリーランスになったら会社にバレる?
開業届を提出して、副業フリーランスになったからといって会社にバレるわけではありません。ただし、住民税の支払いにおいて「特別徴収」を選択していると、会社に知られる可能性があります。
会社の就業規則で副業が禁止されている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
Q.副業フリーランスの労働時間の上限は?
副業フリーランスの場合、労働時間に関する法律上の制限はありません。これは、フリーランスや個人事業主が労働基準法の適用を受けないためです。
ただし、働きすぎは体調を崩す原因となり、本業のパフォーマンスにも影響を与えかねません。無理のない範囲での活動を心がけましょう。
副業フリーランスで収入・キャリアアップを目指そう
副業フリーランスは、収入アップやキャリアアップの機会として注目されています。副業フリーランスで成功するためには、小規模な案件から始めて、実績を積み重ねていくことが大切です。
また、本業に支障が出ないよう、無理のないペースで始められる職種を選ぶことがおすすめです。
クラウドソーシングサイトやフリーランスエージェントを利用すれば、安心して副業フリーランスを始められます。
慣れてきたら、徐々に案件の規模を大きくしたり、新しい分野にチャレンジしたりしてみてくださいね。