スキルアップ研究所は、フリーランスとして働いている方200名を対象に「フリーランス転身時の実務面の変化に関する実態調査」を実施しました。
今回はこの調査結果を参考にして、フリーランス転身後の実態を紹介し、フリーランスとして活躍するために重要なことを解説していきます。
フリーランス転身後、年収が増加傾向にあるのはエンジニア系
フリーランス転身後にどのくらい年収が変化したかを質問したところ、職種ごとに特徴があることがわかりました。
エンジニア系は、全体的に増収傾向にあります。50万円以上100万円未満の増加が全体の25.6%を占めており、年収を増加させやすいことが伺えます。これは、IT市場が拡大していることや、エンジニアの希少価値が高いことが要因だと考えられるでしょう。
その他の職種に関しては、マーケティング系を除き、年収増加を達成した割合が半分以下となっています。つまり、フリーランス転身後は、経済的に厳しくなっている人が過半数いることがわかります。
また、全体として年収の増加及び減少の額は広く分布する傾向にあり、フリーランスの収入は個人差が大きく、個人のスキルや経験値によって大きく変動することが明らかとなりました。
年収増加の要因は自己管理やコミュニケーション能力
年収が増加した要因を尋ねたところ、「タスクや時間、体調などにおける自己管理能力の向上」と回答した人が15.9%で最多となりました。この結果から、体調管理はもちろんのこと、多くのタスクをこなすための管理能力が非常に重要なことがわかります。
次いで多かったのは、「コミュニケーション能力の向上」で15.4%を占める結果となりました。フリーランスにとって、クライアントとの良好な関係を築いたり、自分の価値を適切に伝えたりできるコミュニケーション能力も、大きな役割を果たすと言えるでしょう。
年収減少の要因は営業スキル不足や営業活動の減少
「フリーランスとしての年収が減少した場合、その理由は何だと思いますか?(複数回答可)」という質問に対して、もっとも多かった回答は「営業スキルが低い」で17.9%でした。
フリーランスにとって、自分の価値を適切に伝え、新規クライアントを獲得する能力は収入に直結します。この結果は、営業スキルの重要性と、その不足が収入減少に大きく影響することを明確に示しているでしょう。
次に多かった回答は「営業活動の減少」で16.9%でした。このことから、スキルだけでなく、実際の営業活動の量も収入に大きな影響を与えることがわかります。
継続的な営業活動が、フリーランスとして安定した収入を確保するために不可欠であることが浮き彫りとなりました。
フリ女子より一言
これまでさまざまな調査結果を見てきましたが、転身後のリアルな実態を調査しているものは珍しく、フリーランスの厳しさを改めて実感しました。
しかし、すべてのフリーランスの年収が減少しているわけではありません。中には年収を大幅にアップさせている人も多くいて、実際にInstagramなどで「会社員時代の◯倍の年収になりました!」と謳っている人をよく見かけるのではないでしょうか。
今回の調査で明らかになったのは、自己管理能力とコミュニケーション能力の差が年収に影響しているということです。とくにコミュニケーション能力は営業力にもつながり、新規クライアントの獲得やアップセルの提案などに役立つ重要なスキルです。私自身の経験からも、この営業スキルが年収に大きな影響を与えているのではないかと感じました。
フリ女子では、フリーランスを目指す女性を応援するために、フリーランスになるためのノウハウを発信しています。案件を獲得する営業スキルについても発信していく予定なので、引き続きチェックしていただけると幸いです。